奈良県のプラスチック産業知識をお届けいたします。
プラスチックには、熱を加えると変形するという性質があります。そのため、様々な形をつくり、極めて簡単に大量に製品をつくることが可能です。
また、プラスチックは、軽くて強く、透明性があり着色も自由にほどこすことができ、電気的絶縁性や断熱性、衛生的にも優れています。最近では金属と同じ強さを持ち、熱や衝撃に強いプラスチックや、反対に、人間の皮膚のようにとても柔らかなプラスチックも開発され、さまざまな分野で利用されています。
プラスチックは、石油から作り出されます。精製所で蒸留された原油のうちの、ナフサと呼ばれる液体が、プラスチックの原料になります。
ナフサがポリマーという物質へ、ポリマーがペレットへとかたちを変え、このペレット材料を使用して、プラスチック成形工場で製品に加工されます。
プラスチックは、種類により様々な特徴があり、それを活かして多方面で使われています。
生産量をみるとポリエチレンとポリプロピレンが多く、この2種類でおよそ50%を占めています。これは、プラスチックの用途の約40%が袋やラップフィルムの包装材、建設土木用のシート向けのため、材料として適しているポリエチレンとポリプロピレンの使用量が多くなっているのです。飲料用ボトルでなじみのあるPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂の使用は、全体の5%余りで、材料別では第5位の使用量です。
プラスチックには、たくさんの石油が使われていると思われていますが、実際には、石油の全使用量(約2.3億kl)における割合は、約7%です。
プラスチックは、原油から何段階かの化学反応を経て生産されますが、製品化までの消費エネルギーは鉄、アルミ、ガラスのいずれの場合より少ないとされています。プラスチックを他の素材で代用するとしたら、限りある資源である石油は、今まで以上にムダ使いすることになります。
プラスチックは耐久性に富み腐食に強いという特徴から、公害性の強い素材としてのイメージがあります。しかし、現在では、使用済みのプラスチックを再び溶かして、材料として効率よく再利用されています。この利用率は60%を超えているという試算もありますが、まだまだ、貴重な資源としてこの率を上げていかなければなりません。
また、微生物によって分解され土に戻る、生分解性プラスチックも開発され、人と自然に優しい素材として大きな注目を集めています。
プラスチック容器包装は、食品を直接入れたり、包んだりするものですから何より安全なものでなければなりません。日本では国による法令と、より厳しい業界の自主基準によって、すべてクリーンな環境の工場で製造されており、安全と安心が守られています。
また、環境ホルモンやダイオキシンといった問題で、社会に不安を与えたこともありました。しかし、複数機関の試験結果や材料の構造式からすべて否定されています。プラスチック食品容器は衛生的で便利な容器です。